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title: "2026年8月 韓国銀行利上げの解説"
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author: "정이현"
published: "2026-08-30"
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# 2026年8月 韓国銀行利上げの解説

2026年8月27日、韓国銀行金融通貨委員会は基準金利を2.75%から3.00%へ引き上げました。キーワードは「先制対応」です。

## はじめに

![報道見出し：シン・ヒョンソン「利上げの先制対応、経済に及ぶコストを減らせる」](https://kred.dev/blog-api/media/6048f5389079446be0d600a816787746f1a571edf9dfa8672c91228befeef896.png)

2026年8月27日、韓国銀行金融通貨委員会は基準金利を2.75%から3.00%へ0.25%ポイント引き上げました。7月に続く2か月連続の利上げで、2022年4月から2023年1月まで続いた7回連続の利上げ以来、3年7か月ぶりのことです。金融通貨委員会の委員7名のうち6名が賛成し、ファン・ゴニル委員が据え置きの少数意見を出しました。

市場は予想していませんでした。会合の2日前に行われた金融投資協会の調査では債券市場参加者の79.0%が据え置きを見込み、KREDも8月は据え置きと予想していました。しかし韓国銀行は利上げを選びました。シン・ヒョンソン総裁は記者会見でその理由を次のように説明しました。

> 「（金融政策の先制対応は）期待インフレを早期に安定させ、引き締めの強度を抑え、成長への負担を和らげるというのが大多数の研究結果」

続けて「手鍬（ホミ）で防げるものを鋤（カレ）で防ぐ」という韓国のことわざを引きながら、**今回は手鍬で政策を打ったのだ**と付け加えました。シン総裁自身も、連続利上げが**「慣例からかなり外れた措置」**であったことを認めました。本稿では、シン総裁の言う先制対応の論理を、期待インフレの概念からたどっていきます。

## 期待インフレとは

期待インフレとは、**企業や消費者といった経済主体が、今後物価がどれほど上がるかを見込む予想値**です。この数値が高いと、賃上げや製品価格の引き上げにつながり、実際の物価を刺激する悪循環を生みかねません。

つまり、**このインフレ予想それ自体が物価をつくる**ということです。食堂の主人が来年物価が4%上がると見込めば先にメニューの価格を上げ、労働者は4%以上の賃上げを求めます。**まだ何も起きていないのに、予想だけで物価が形成**されるのです。

経済学では、この数値が目標近辺に固定された状態を「期待がアンカリング（anchoring）されている」と表現します。アンカーが保たれていれば、原油ショックでヘッドラインの物価上昇率が一時的に3%になっても、経済主体が値札を書き換えないため、物価は自然に下がってきます。逆にアンカーが外れると、中央銀行は金利をはるかに高く、はるかに長く引き上げなければならず、その過程で投資が萎縮し、失業が生じます。

![韓国期待インフレ調査(1年)](https://kred.dev/blog-api/media/dcbcd974bfe0834e9dacf66b32eb5e214d252a76f71a65401a969b99eb70257b.png)

[https://kred.dev/ja/series/KRINFEXPSV](https://kred.dev/ja/series/KRINFEXPSV)

韓国の期待インフレは**2026年4月に短期のピークをつけて以降、低下**しており、

![韓国トレンドインフレ率](https://kred.dev/blog-api/media/2b88773e795e54aeb3cdff9c2574030564d27275458775e55d82296c8b6808f8.png)

 [https://kred.dev/ja/series/KRTRINF](https://kred.dev/ja/series/KRTRINF)

トレンドインフレ率も**2026年6月に2.41%を記録した後、低下**しています。

アンカーはまだ守られている、ということです。ここに今回の決定の逆説があります。**物価指標が下がっているのに金利を上げた**のです。先制対応の論理で見れば、**いまの低下トレンドを守るコストは、反発した後に引き戻すコストより小さいのです。**

それこそが先制対応の定義です。**指標が上がってから動いたのではもう遅い**というのが、シン・ヒョンソン総裁の判断です。

## インフレの低下トレンドを守れ

![ベン・バーナンキの公式ポートレート](https://kred.dev/blog-api/media/480ad904d48fa4937c5b3726163edf0fe3a2a0e35722dc769a3dd4a09dcaa6e9.jpg)

シン総裁の言う「大多数の研究結果」の系譜をさかのぼると、**ベン・バーナンキ元FRB議長**にたどり着きます。

バーナンキは1999年の論文「インフレ・ターゲティング：国際的経験からの教訓（Inflation Targeting: Lessons from the International Experience）」で、**中央銀行が物価目標を公に打ち出してその約束を守れば、インフレ期待がその目標にアンカリングされ、より少ない痛みで物価を抑えられる**と主張しました。2004年の「グレート・モデレーション（大いなる安定）」講演では、1980年代以降の米国経済の変動性の縮小を期待管理の成果として説明し、2012年にはFRBの2%物価目標を公式に明文化しました。

2023年、バーナンキはオリヴィエ・ブランシャール（フランスの経済学者で、教科書『マクロ経済学』で有名）とともに、パンデミック後の米国インフレを分析した論文を発表しました。結論は、**期待がアンカリングされている間は物価を抑えるコストは非常に低いが、アンカーが外れた瞬間、コストは緩やかにではなく急激に上昇**する、というものでした。

コストが線形ではないという点が核心です。対応を遅らせると、コストは遅らせた分だけ増えるのではなく、ある地点を過ぎると数倍に跳ね上がります。だとすれば、「どうせ受ける鞭なら先に受けたほうがましだ」という言葉のとおり、**どのみち上げる金利なら早く上げるほうが、経済主体が被る痛みの総量は小さくなります**。

経済学にはこれを測る物差しもあります。犠牲率（sacrifice ratio）です。物価上昇率を1%ポイント下げるために手放さなければならない生産の大きさで、期待がしっかり固定されているほどこの値は低くなります。シン総裁が「引き締めの強度を抑え、成長への負担を和らげる」と述べたのは、犠牲率を低くするという意味です。

## バーナンキの先制対応の事例

時計を巻き戻して2008年のリーマン危機後のデフレの脅威を検証してみると、**バーナンキの先制対応が米国を景気後退の泥沼から効果的に引きずり出した**という事実が見えてきます。

バーナンキは、2007年に崩れ始めた米国不動産市場が瓦解しつつあった2008年1月22日、**予定になかった緊急FOMCを招集して政策金利を0.75%ポイント引き下げ**、**8日後の定例会合でさらに0.5%ポイント引き下げ**ました。リーマン危機の後には**ゼロ金利を維持しながら量的緩和（QE）を断行**しました。

量的緩和の原理は、**債券金利に含まれるタームプレミアム（term premium）を圧縮すること**です。ここでいうタームプレミアムとは、投資家が長期債を保有する対価として要求するリスクの上乗せ分です。中央銀行が長期国債を大量に買い入れれば、市場に出回る長期債が減り、自然と長期金利が下がります。政策金利がすでに0%でこれ以上引き下げられないとき、長期金利を直接引き下げる迂回路だったわけです。

長期金利が下がると住宅ローン金利や社債金利もそれを追うように下がり、投資と資産価格が持ち直して、経済成長を後押しし始めました。その結果、**米国は主要先進国の中で最も早くデフレの脅威から抜け出し、経済成長の軌道**に復帰しました。10%まで急騰した失業率は着実に低下し、FRBは**2014年に資産買い入れ**を終了した後、**2015年12月、主要中央銀行の中で最初の利上げ**に踏み切りました。

**欧州が景気刺激のために資産買い入れをようやく始めたその年に、米国はすでに成長軌道に乗り、出口へ歩き出していた**のです。

## リーマン危機での後手対応

バーナンキの初動がどれほど例外的だったかは、同時期のほかの中央銀行と比べるとはっきりします。欧州中央銀行（ECB）は2011年4月と7月、**財政危機の真っただ中でむしろ2度の利上げ**を行い、まもなく撤回しました。量的緩和の役割を果たす**資産買い入れプログラムの開始はようやく2015年3月**でした。**FRBより6年遅れ**です。日本銀行の量的・質的緩和も2013年4月でした。

その代償は、**中央銀行の目標を下回る低インフレ**となって返ってきました。**ユーロ圏と日本は10年にわたりデフレの脅威**にさらされ、ECBは2019年9月、マイナス金利の追加引き下げと資産買い入れの再開へと逆戻りせざるを得ませんでした。

米国を除く世界の景気は、次々と冷え込んでいきました。中国は2014年に「新常態（高速成長をやめ、安定的で質の高い成長を目指す中国経済の新しい状態）」を宣言し、2015年には成長率が6.9%と1990年以来初めて7%を下回り、2018年には自動車販売がおよそ30年ぶりに減少しました。

ドイツは2018年下期から揺らぎ始めました。2017年に2.5%だった成長率は2018年に1.5%、2019年に0.6%へ低下し、2018年第3四半期には-0.2%を記録して、テクニカル・リセッションの一歩手前まで行きました。崩れたのは消費ではなく製造業でした。2019年のドイツの鉱工業生産は3.6%減少し、自動車がその下落を主導しました。

韓国も低インフレの例外ではありませんでした。2019年9月の消費者物価上昇率は-0.4%と、1965年の統計開始以来初の公式マイナスでした。年間の上昇率は0.4%で過去最低、コアインフレ率は0.6%と1999年9月以来の低さでした。

2018年から2019年にかけて、世界はデフレにもがきながら、**米国の消費指標がどう出るかだけを固唾をのんで見守っていました**。その間、米国の株式市場、とりわけハイテク株は力強い上昇を見せましたが、その米国でさえ2019年には3度の予防的利下げで景気を支えなければなりませんでした。

## コロナ危機での後手対応

そうして2020年になりました。今度は**韓国がコロナに最も早く直面した国の一つ**でした。2020年1月20日に武漢からの入国者で最初の感染者が確認され、2月18日の大邱の31番目の患者を起点に集団感染が広がり、1か月で大邱・慶北の累計感染者は約8,000人に膨らみました。この時期、韓国の累計感染者数は、コロナの発生源である中国に次いで世界2位でした。

それでも**韓国銀行は2月27日の定例の金融通貨委員会で基準金利を1.25%に据え置き**ました。当時のロイター調査ではアナリスト26人中16人が先制的な利下げを予想していましたが、韓国銀行は感染拡大が3月にピークを打って収まるという前提で据え置きを選びました。同じ日、その年の成長率見通しは2.3%から2.1%へ引き下げました。**見通しは下げながら、金利は動かさなかった**のです。

**FRBは逆に動きました。**3月4日（韓国時間）、**予定になかった会合を緊急に招集して0.5%ポイントの利下げ**を行いました。2008年の金融危機以来初の緊急利下げでした。**3月15日（現地時間）の日曜日には、さらに1.0%ポイント引き下げて政策金利を0〜0.25%のゼロ水準**に戻し、国債5,000億ドル、住宅ローン担保証券2,000億ドルなど総額7,000億ドル規模の量的緩和の再開を発表しました。

一度の措置としてはFRB史上最大であり、2度の緊急会合で2週間のうちに1.5%ポイントを引き下げたことになります。この日時点の米国のコロナ死者は61人でした。**累計感染者数が世界2位だった国は据え置き**を選び、**死者61人だった国はゼロ金利と量的緩和を同時に断行**したのです。

**韓国銀行が動いたのは、その後**でした。**FRBの2度目の利下げから数時間後**の3月16日午後4時30分、臨時の金融通貨委員会を開き、基準金利を1.25%から0.75%へ0.5%ポイント引き下げました。2008年の金融危機以来初の緊急利下げでした。当時のイ・ジュヨル総裁は、FRBの利下げが韓国銀行に動く余地を与えたと説明しました。同じ日、KOSPIとKOSDAQでは下落によるサーキットブレーカーが発動し、売買が一時停止されました。

**韓国銀行が惜しんだ手鍬は、鋤になって返ってきました。** 韓国銀行は3月19日に米国と600億ドル規模の通貨スワップを締結し、20兆ウォン規模の債券市場安定ファンドが再稼働し、無制限のRP（買戻条件付債券）買い入れにまで踏み切りました。5月には基準金利を過去最低の0.5%へ追加で引き下げました。2020年の韓国の成長率は-0.7%、消費者物価上昇率は0.5%でした。

**先に知りながら、後から動いた**のです。

回復の速度も違いました。

米国経済は2021年に5.7%成長し、1984年以来の最高記録を打ち立てました。**回復を牽引したのは消費**でした。**2021年の米国の消費支出は7.9%増と、1946年以来最大の伸び**を記録しました。**雇用の回復はさらに劇的**でした。金融危機のときは失業率が10%から5%に下がるのに6年かかりましたが、今回は2020年4月に現代史上最高の14.7%まで急騰した失業率が**2021年末に3.9%**へ下がるまで、2年かかりませんでした。

韓国の2020年のマイナス成長幅（-0.7%）は米国（-3.4%）よりはるかに小さいものでした。これは防疫の成果でした。2021年の成長率も4.0%と、2010年以来11年ぶりの高さでした。しかし**回復の中身が違いました。**韓国の成長を牽引したのは輸出であり、**民間消費は2020年に5.0%減少した後、2021年の反発は3.6%**にとどまり、**2021年末になってもコロナ前の水準を**下回っていました。

**米国人はあふれるほどお金を使っていて、韓国人はまだ財布を開き切れていなかった**のです。

## 金融市場の反応

![韓国1年先リスク中立瞬間フォワードレート](https://kred.dev/blog-api/media/3382ac524538a9be2a5238a1d3dd9bad6e960edd7d2299daa88a62050d4a39ec.png)

[https://kred.dev/ja/series/KRIFR1](https://kred.dev/ja/series/KRIFR1)

8月24日時点で、国債市場が織り込む1年後の基準金利は2.94%でした。**市場が1年後にようやく到達するとみていた水準に、韓国銀行は3日で到達した**のです。**利上げの幅ではなく速度でシグナルを送った**というわけです。

韓国の基準金利を左右する次の要因は米国です。ケビン・ウォーシュFRB議長はジャクソンホールで「物価指標は一段と憂慮すべきものになっている」と述べ、「基調的なインフレ率が目標に向かって十分な速度で動いているという確信が必要だ」と語りました。シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）のFedWatchによる9月のFRB利上げ確率は57%と、1か月前の39.9%から急上昇しました。FRBが利上げに動けば、韓米金利差の負担は再び大きくなります。

## 結論

![アラン・グリーンスパンのカラーポートレート](https://kred.dev/blog-api/media/f5da2c398f4150257bf82417a715e17ab7c17947c6794ddfeae6543f8c4e3001.jpg)

個人的に、**イ・チャンヨン前総裁は韓国のグリーンスパン**だと考えています。イ・チャンヨン総裁ほど市場との対話に努めた韓国銀行総裁はいませんでした。**中央銀行が今後の経済情勢を見通し、金融政策と基準金利の方向性をあらかじめ予告**する**フォワードガイダンス（Forward Guidance）を最初に導入**したのが、グリーンスパンとイ・チャンヨンです。

FOMCは1994年2月の会合直後から声明を出し始め、1995年7月には目標金利を声明に明記し、2003年8月には緩和基調が「相当な期間（considerable period）」維持され得るという文言で、最初の明示的なフォワードガイダンスを導入しました。この一文を提案したのがグリーンスパン本人でした。

イ・チャンヨン前総裁もグリーンスパンと同じことをしました。2022年10月に金融通貨委員会委員の3か月条件付き金利見通しを公開し、2026年2月には見通しの時間軸を6か月に延ばし、委員7名がそれぞれ3つの点を打つ韓国版ドットプロットへ改編しました。その後、金融通貨委員会当日の短期市場金利のボラティリティが有意に縮小したという分析が出ています。

**シン・ヒョンソン総裁は韓国のバーナンキ**と見ることができます。**バーナンキの特徴は、周りがもっと指標を見ようと言うときに先制的に動く初動**でした。ECBと日本銀行がためらう間に、彼は緊急会合を招集して量的緩和を断行し、その差がその後10年の格差を生みました。

シン総裁は、市場の大勢が据え置きを予想する中で、**慣例から外れると知りながら2か月連続の利上げを断行**しました。2020年3月に**韓国銀行が先に知りながら後から動いた失着を、克服した**のです。

筆者は、韓国のバーナンキであるシン・ヒョンソン総裁が粘着的なインフレを早期に抑え、韓国を低インフレ・高成長のゴルディロックス経済へ導いてくれると信じて疑いません。
