米国10年モデルベース実質金利
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ひと目でわかる
この金利グループには何が入っていますか。
米国短期金融市場の基準となる金利、すなわち国債担保の翌日物市場金利、準備預金に支払われる管理金利、そして物価を除いた長期の実質金利を収めます。担保付きの市場金利は成立した取引で形成される結果であり、管理金利は政策が定める水準です。
どの金利から見ますか。
担保付きの市場金利が管理金利のそばを保っているかどうかから見ます。平時は政策が定めた場所の近くで安定し、市場金利が上へ押し出されれば、担保付き資金の需要に比べて準備金が乏しくなってきたシグナルです。長期の実質金利は物価連動国債市場で観測される値なので、期待インフレの仮定を置かずに、購買力単位の資金コストとして併せて読めます。
金融市場にはどんな影響がありますか。
これらの金利はドル建て金融のいちばん底の層で、デリバティブの割引や変動金利の参照としてそのまま使われます。その揺れはグローバルなドル調達コストを伝って他市場へ波及するため、ウォン市場を見る目にも基準になります。
詳細情報
概要
定義
USRR10 は、公表された10年満期の実質金利を一切の変換を加えずそのまま記録した原系列であり、10年満期の名目金利から同一満期の期待インフレ率のモデル推定値を差し引いて年率百分比で表示したものである。この値は物価連動国債で直接観測された利回りではなくモデルによる推定値であるため、KRED はこれを観測利回りとして提示せず、記録されたモデル出力をそのまま移す。
その概念的基礎は、名目金利を実質の報酬と予想される物価変動へ分解する利子理論にあり、この分解において実質金利は現在の所得と将来の所得を等価にする価格である(Fisher 1930)。
名目側の構成要素は10年満期の国債利回りであり、その最終利回りの概念は債券価格を残存キャッシュフローの現在価値に等しくする単一の割引率であって(Macaulay 1938)、期間構造の中では将来の短期金利の期待とプレミアムへ分解される(Hicks 1939)。この満期点の利回りは、クーポン債価格から復元した割引関数、簡潔な母数形とその拡張、日次のゼロクーポン・パー利回り構築に対応する(McCulloch 1971; Nelson and Siegel 1987; Svensson 1994; Gürkaynak, Sack, and Wright 2007)。
物価側の構成要素は期待インフレ率であり、それが指示する対象は固定バスケットの加重集計で定義された物価指数と効用を一定に保つ生計費の概念である(Laspeyres 1871; Konüs 1939; Diewert 1998)。実質金利の計算に入るインフレは、供給ショックを除いた長期経路の概念であり永続的なトレンド成分として理解され(Eckstein 1981; Stock and Watson 2007)、名目の大きさを物価でデフレートして実質の大きさを得るという同じ論理が実質の対外価格概念にも用いられる(Rogoff 1996)。
算出方法
KRED は USRR10 に如何なる変換も加えず記録されたまま実質金利を格納しており、再スケーリング・デフレート・平滑化・年率化のいずれも行わず、期待インフレ率のモデルを再推定することもない。したがって方法論は、そのようなモデルベースの実質金利が存在するに至る測定基盤に限られる。
構成は名目金利から予想される物価変動を差し引く利子率の分解であり(Fisher 1930)、その名目側は最終利回りの慣行で呼値される10年満期の利回りである(Macaulay 1938)。その満期点の利回りは、クーポン債価格から三次または指数スプラインで復元した割引関数、簡潔ないし拡張された母数形、今日標準となった日次の曲線構築から算出され、それらの方法は互いに比較されてきた(McCulloch 1971, 1975; Vasicek and Fong 1982; Nelson and Siegel 1987; Svensson 1994; Gürkaynak, Sack, and Wright 2007; Bliss 1997)。
差し引かれる期待インフレ率は観測された価格ではなくモデル推定値であり、それが参照する物価測定は、基準期加重と当期加重の指数算式、両者の幾何平均として定義された理想指数、支出シェア加重の対数変化指数、そして柔軟な集計関数に正確な上級指数の理論によって規定される(Laspeyres 1871; Paasche 1874; Fisher 1922; Törnqvist 1936; Diewert 1976)。推定の対象となるインフレ概念は、測定されたインフレをトレンドと一時的な雑音へ分ける分解の中で定義され、確率的ボラティリティを持つ永続成分として操作化される(Cecchetti 1997; Stock and Watson 2007)。
これらの構成は USRR10 自体には適用されず、KRED は公表された実質金利の水準を記録されたまま保つ。
経済学での応用
長期の実質金利は貯蓄と投資の異時点間配分を律する価格であり、名目金利から予想される物価変動を取り除くことによって、それが貸借の実質的な報酬となる(Fisher 1930)。政策の実施は最短満期の金利を運用目標とするが(Bindseil 2004; Borio 1997)、政策スタンスが実体活動へ及ぶ経路は期間構造を通じた長期の実質金利であるため、長期利回りを期待とプレミアムへ分解する枠組みが解釈の出発点となる(Hicks 1939)。
その解釈は、どのインフレ概念を差し引いたかに左右される。生計費の目標と固定バスケット算式との隔たり、および代替と品質変化から生じる測定バイアスが実質金利の水準を上下させ(Konüs 1939; Diewert 1998; Boskin et al. 1996)、供給ショックを除いた長期経路としてのインフレ概念とトレンド対一時成分の分解が、どのインフレを差し引くべきかを規定する(Eckstein 1981; Cecchetti 1997; Stock and Watson 2007)。
対外部門では本系列は実質金利差の海外側の構成要素として用いられる。その背景には、名目相場を物価でデフレートして実質為替相場を定義し、その乖離の半減期を測定する伝統があり(Rogoff 1996)、購買力平価の絶対型と相対型および構造的格差の区別がその比較を律する(Cassel 1918; Officer 1976; Frenkel 1978; Dornbusch 1987)。KRED が公表する実質実効為替レートのファンダメンタルズ整合的水準とその乖離は、本系列をその海外側の実質金利の入力として用いる。
金融市場での応用
長期の実質金利は実質キャッシュフローを生む資産の割引率であるため、この水準の変化は名目割引率の変化とは区別されてバリュエーションに反映される。この区別の根拠は、名目金利を実質の報酬と予想される物価変動へ分ける分解である(Fisher 1930)。
債券ポートフォリオにおいてこの値は、名目債券の物価調整後の保有収益を判断する基準であり、その金利エクスポージャーは利回りをキャッシュフローのタイミングへ写像するデュレーションと、期間構造全体に基づく免疫化によって管理される(Macaulay 1938; Fisher and Weil 1971)。割引とヘッジに用いるゼロクーポン・フォワード曲線はスプラインによる復元、母数形の当てはめ、日次の曲線構築から得られ、その方法は比較されてきた(McCulloch 1971, 1975; Vasicek and Fong 1982; Nelson and Siegel 1987; Svensson 1994; Gürkaynak, Sack, and Wright 2007; Bliss 1997)。
ただしこの水準はモデルで推定した期待インフレ率を差し引いた値であるため、その不確実性はインフレ測定とトレンド抽出の不確実性をそのまま受け継いでおり(Cecchetti 1997; Stock and Watson 2007; Diewert 1998)、通貨間の比較では実質金利差と実質為替相場の緩やかな平均回帰を併せて読むことが望ましい(Rogoff 1996)。
統計的検定
これは10年名目金利から期待インフレ率のモデル推定値を差し引くフィッシャー分解の出力であるモデル由来の系列であり、単位根の判読は直接観測された価格ではなくモデル推定値を記述し、系列相関と変化点の診断は1階差分に対して行う。基礎となるモデルは再推定され得るため過去の経路は改定される可能性があり、その改定幅を計量できる時点別データの蓄積は存在しない。本系列は1996-01-01から2026-06-01まで自らの区間の366個の月次観測値を定数とトレンドを置いて検定する。
10年モデルベース実質金利は水準では1次和分系列であり、Said and Dickey (1984)のラグ拡張形を取り情報量規準でラグを選んだDickey and Fuller (1979)検定がp = 0.6871で単位根を棄却せず、ノンパラメトリックなPhillips and Perron (1988)検定がp = 0.6492で同調し、Kwiatkowski et al. (1992)検定がトレンド定常性をp < 0.01で棄却するため、三者の正直な一致がI(1)の判定を支える。GLSトレンド除去 (Elliott, Rothenberg, and Stock 1996) は判定が曖昧な場合に拡張ディッキー・フラーの項目を確認するためにのみ用いられ、Ng and Perron (2001)の上位化は単位根に近い移動平均の危険が示された場合にのみ適用されるため、この明白な一致ではいずれも要しない。1階差分に対してBox and Pierce (1970)の原型を精緻化したLjung and Box (1978)のポートマントーはラグ12と24で白色雑音の帰無仮説を棄却せず、Q = 13.66とQ = 28.23、p = 0.323とp = 0.250であり、月次の変化は白色雑音と区別されない。Bai and Perron (1998, 2003)の手続きは差分した系列の平均に変化点を見いださず、これは差分した対象に対するAndrews (1993)のパラメータ不安定性の推論と整合する (Perron 1989)。
これは低整数の季節成分が想定されない月次のモデル出力であるため、Hylleberg et al. (1990)とCanova and Hansen (1995)の季節装置は意味のある対象を持たず実施しない (Beaulieu and Miron 1992; Ghysels and Osborn 2001)。
主要数値
| 最新値 (%) | 2.20 (2026-08-01) |
|---|---|
| 前回比 | +0.12 (2026-07-01) |
| 1年前比 | +0.63 (2025-08-01) |
| 収録期間中の最高 | 3.55 (1997-04-01) |
| 収録期間中の最低 | -0.41 (2020-08-01) |
| 収録期間 | 1996-01-01 – 2026-08-01 |
| 観測値数 | 368 |
| 日付 | 値 (%) | 変化 |
|---|---|---|
| 2026-08-01 | 2.20 | +0.12 |
| 2026-07-01 | 2.07 | +0.16 |
| 2026-06-01 | 1.92 | +0.29 |
| 2026-05-01 | 1.63 | +0.03 |
| 2026-04-01 | 1.59 | +0.12 |
| 2026-03-01 | 1.47 | −0.27 |
| 2026-02-01 | 1.75 | +0.08 |
| 2026-01-01 | 1.67 | +0.21 |
| 2025-12-01 | 1.46 | −0.15 |
| 2025-11-01 | 1.61 | +0.05 |
| 2025-10-01 | 1.55 | −0.01 |
| 2025-09-01 | 1.57 | 0.00 |
よくある質問
- 米国のSOFRと準備預金付利金利はどのような金利ですか。
- 有担保の翌日物調達金利、準備預金残高に支払われる管理金利、そして十年物の実質金利であり、いずれも公表されたまま収録しています。
- SOFRと準備預金付利金利は何が違いますか。
- 一方は市場が担保を取って実際に調達する取引金利であり、もう一方は中央銀行が設定する管理金利です。両者の間隔が準備預金の希少性を直接示します。
- 米国の長期実質金利はどう算出されますか。
- 物価連動国債市場で観測される実質利回りであるため、予想インフレ率を別途仮定せずに購買力単位での長期の資金コストを読み取れます。