米国近期先渡スプレッド
チャート
ひと目でわかる
近期先渡スプレッドは何が違いますか。
六四半期先に価格付けされた短期金利と、きょうの三か月金利の距離を、同じ日の一本の米国債カーブから読み取った値です。カーブ全体の傾きではなく、政策期待が支配する手前の区間だけを切り出して読むのが持ち味です。
値の低下はどう読みますか。
値の低下は、先に価格付けされた短期金利がきょうの水準に比べて下がったという算術的事実です。ゼロ付近の読みは確定的ではないため、しきい値の出入りではなく水準の流れとして読みます。また先渡金利には期待と並んでリスクを引き受ける対価が乗っており、動きが期待の変化なのか対価の変化なのかは、この値だけでは確定しません。
金融市場にはどんな影響がありますか。
政策経路が実際に取引される区間を読む値なので、金利デスクはこの距離で緩和や引き締めの価格を測ります。ポジションはスプレッド自体ではなくカーブを通じて取り、二つの脚は適合カーブから読んだ値という測定上の性質を受け継ぎます。
詳細情報
概要
定義
USNTFSは、6四半期先の先渡金利と3ヶ月ゼロクーポン金利の距離を%ポイントで示した近期先渡スプレッドであり、二つの脚はいずれも同じ日の一つの当てはめゼロクーポン国債曲線から評価する。KREDはその曲線の公表された母数から、原著者が述べた構成の手順をそのまま適用して算出するため (Engstrom and Sharpe 2018; Engstrom and Sharpe 2022)、このページが担うのは示された入力に示された式を実装した結果であって、誰かの数値を写したものではない。ここで実装した構成は二つの脚をいずれもこの当てはめ曲線から取る著者らの現在の方式であり、2018年の記述は裁定不在の3ファクター・モデルで推定した別の曲線から取っていたため (Kim and Wright 2005)、式が同じでも入力は異なる。著者らによる機械可読なデータセットは比較の対象として存在しないため、ここで言う忠実性は示された式と入力に対するものであって、それ以外の何かに対するものではない。
曲線は簡潔なNelson and Siegel (1987)の形を六母数へ拡張した形であり、利付国債の価格に日ごとに当てはめられ (Svensson 1994; Gürkaynak, Sack, and Wright 2007)、利付債の価格からゼロクーポン曲線を復元してきた諸手法と同じ系譜に属する (McCulloch 1971; Vasicek and Fong 1982; Bliss 1997)。近いレグには二つの帰結が伴う。この値は曲線から読み取ったものであって取引される債券ではないため、そして3ヶ月の点が曲線の公表する最短満期より下に位置するため、短期証券を除いて推定した曲線のフィッティング下限での評価となるのであり、短期証券を外す設計はその利回りに固有の振る舞いに根拠を置く (Duffee 1996)。遠いレグも同じ意味で評価値であり、それが依拠する18ヶ月と21ヶ月の点はブラケットする満期によって確認される。再構成の検証が、その両側にある12ヶ月と24ヶ月の点を平均絶対偏差0.001797と0.001751ベーシスポイントで覆うからである。
公表区間が原論文の1972年ではなく1980年から始まるのは、入力となる曲線の六母数の体制が1980-01-02に始まり、それ以前の日付を同じ構成で評価できないからである。観測された3ヶ月の対照値は1981-09-30以降にしか存在しないため、標本で最も早い20の月末はいかなる第二の測定も持たない。そのうち16がゼロを下回り、標本で最も大きく振れた読み値である1981-01-31の−4.321575%ポイントもこの区間に含まれるが、これを裏づける別の測定はなく、そのため本系列とともに保管する時代別の統計は559の月末すべてではなく539を記述する。
本系列の性格を画する言明が三つある。これはタームプレミアムを含む観測された先渡スプレッドであり、先渡金利が短期金利の期待経路にリスクを負う対価を加えた値であるためで (Hicks 1939; Cochrane and Piazzesi 2005)、したがってリスク中立ではないし、いかなる分解でもない (Adrian, Crump, and Moench 2013)。またKREDがプレミアムを取り除いたリスク中立利回りの上で作る韓国の近期先渡スプレッドとは測る対象が異なるため、両者は比較できない。そして曲線の近い区間を扱った文献が何を報告していようとも、本系列は景気についての言明として提示されない (Engstrom and Sharpe 2019; Estrella and Mishkin 1998)。
算出方法
KREDは同じ日付の曲線母数から二つの脚を評価してその差を取り、平滑化も補間も再スケーリングも適用しない。遠いレグは6四半期先に始まる四半期を覆う先渡金利であり、21ヶ月のゼロクーポン金利を7倍した値から18ヶ月のゼロクーポン金利を6倍した値を差し引いて得る。スプレッドはその先渡金利から3ヶ月ゼロクーポン金利を差し引いた値であり、%ポイントで表す。この四半期形と対数価格形の恒等式はすべての行で凍結された許容誤差のもとに確認するため、構成のどこにも補間は入らない。
日次の行は、六つの曲線母数と公表された1年および2年のゼロクーポン列がすべて存在するときにのみ用い、この選別を通らない行は補正せずに除外する。固定したヴィンテージでは1980年以降の日次12148行のうち527行が除外され、パネルの4.34%にあたる。そのうち526行は選別対象の列がすべて欠けた休場日であり、一つである2008-03-21は曲線母数は有効でありながら公表されたゼロクーポン列が伏せられた退化した行である。これはデータ損失ではなくカバレッジの構成であり、数を増やすために選別を緩めることはしない。
近いレグは、同じ連続複利にそろえた観測3ヶ月国債金利と突き合わせることができ、その比較は独立した系列としては公表しない内部の対照としてのみ保持する。1981-09-30以降の539の月末において、平均絶対差は14.41ベーシスポイント、最大絶対差は116.26ベーシスポイント、平均差は+10.25ベーシスポイントである。この隔たりは平均が正であるにとどまらず両方向であり、2023-06-30の−69.9186ベーシスポイントから2008-10-31の+116.2582ベーシスポイントまでにわたるうえ、複利換算に由来するものでもなければ標本が進むにつれて縮小する量でもない。
近いレグの二つの測定がその隔たりだけ異なるため、両者がゼロの反対側に置かれるのは公表値の絶対値がその日の隔たりより小さいときに限られ、食い違いはゼロに最も近い領域に閉じ込められる。539の月末のうち両者が反対側に置かれたのは36であり、36はすべて公表値の絶対値が0.50%ポイントより小さい区間にあって、その外側の356には一つもなく、±0.10%ポイントの内側では43のうち23が食い違う。区間の姿もそれに応じて異なり、公表レグでは2005-08から一つの27ヶ月の区間として現れるものが、対照の測定では合計17ヶ月の五つのフラグメントとして現れ、2020-05から2021-01では公表レグが九つの月末で連続してゼロを下回る間、対照の測定はそのうち八つでゼロを上回る。
入力となる曲線は週次の周期で公表し直されるため、パネルのトレーリング・エッジは暦から最大で三営業日ほど遅れる。固定したヴィンテージでは公表レグと観測された対照値は同じ日付で終わっており、対照値がそれの検証する系列より新しいことはない。
経済学での応用
近期先渡スプレッドは、市場が1年半先の短期金利をどこに値づけているかを現在の短期金利と突き合わせるため、曲線全体の傾きではなく近い区間を読む。先渡金利は短期金利の期待経路にリスクを負う対価を加えた値であるため (Hicks 1939)、この対象は観測された価格の関係であって期待そのものではない。
曲線の近い区間は政策の期待が支配する領域である。政策の姿勢は最短の満期で決まる一方、波及はより長い金利を通じて働くからである (Bindseil 2004; Borio 1997)。より長い金利差は同じ比較に、より大きく変動もしやすいプレミアムを混ぜ込む。期間構造の文献がその補償部分を切り分けて扱ってきた理由もそこにあり (Cochrane and Piazzesi 2005; Adrian, Crump, and Moench 2013)、Engstrom and Sharpe (2018)が長い傾きに帰されてきた情報を近い区間が担うと論じる背景も同じである (Engstrom and Sharpe 2019)。
読み方を画する条件が三つある。本指標はタームプレミアムを含むため期待される政策経路の純粋な言明ではなく、値の動きは市場の期待が変わったことでも、市場の求める対価が変わったことでもありうる。ゼロに近い読み値は確定的ではない。観測された短期金利の対照値がまさにその領域で公表レグと分かれるからであり、そのため本系列は状態ではなく水準として読む。さらに政策金利が実効下限にとどまった区間では近いレグがその下限に押しつけられるため、本指標が動きうる幅は期待だけでなく政策の局面にも制約される (Wu and Xia 2016)。
金融市場での応用
金利デスクにおいて本指標は、今日の短期金利と6四半期先に値づけられた短期金利との市場が含意する距離として読まれ、これは政策経路が通常取引される期間でもある。そうした見方を表すポジションはスプレッドそのものではなく曲線を通じて取る。スプレッドは取引される商品ではないからであり、エクスポージャーは利回りの変化を価格の変化へ写すデュレーションで測り、期間構造全体に定義された免疫化で管理する (Macaulay 1938; Fisher and Weil 1971)。
その利用にかかわる測定上の事実が三つある。二つの脚はいずれも気配ではなく当てはめ曲線から読んだ値であるため、本系列はその曲線の当てはめの流儀をともに引き受けるのであり、曲線の推定手法の違いは文献が比較してきた (McCulloch 1971; Nelson and Siegel 1987; Svensson 1994; Bliss 1997; Gürkaynak, Sack, and Wright 2007)。近いレグは観測された3ヶ月金利と両方向に開き、その幅は本スプレッドの大きさに比べれば無視できるものではない。最も短い満期の商品が固有の価格形成を持つ理由は短期金融市場の文献が説明してきた (Duffee 1996; Hamilton 1996; Furfine 1999; Bartolini, Bertola, and Prati 2002)。またパネルの縁は暦から最大で三営業日ほど遅れるため、直近の値は当日の気配ではない。
したがって退けられる用途が二つある。このレグだけで閾値を読む使い方は支えられない。まさにその閾値が越えられる地点で、近いレグの第二の測定が別の答えを返すからである。また本系列はタームプレミアムの分解の代わりにはならない。プレミアムを切り分けるのではなく、そのまま含んでいるからである (Adrian, Crump, and Moench 2013; Cochrane and Piazzesi 2005)。
統計的検定
USNTFSは、一つの当てはめられたゼロクーポン曲線から6四半期先の先渡金利を読み、そこから3ヶ月ゼロクーポン金利を差し引いたスプレッドであるため、統計的な対象はそのように構成したスプレッドであって市場で観測された価格ではない (Engstrom and Sharpe 2022)。平均へ回帰する対象に趨勢項を当てはめることは定式化の誤りとなるため、決定論的項は定数に固定する。1980-01-02から2026-07-24までの11621個の日次観測値において、Said and Dickey (1984)のラグ拡張形と情報量基準によるラグ長選択のもとで (Ng and Perron 2001)、Dickey and Fuller (1979)の拡張ディッキー・フラー検定は統計量−5.28835、p = 0.000で単位根を棄却し、ノンパラメトリックなPhillips and Perron (1988)検定も統計量−5.89707、p = 0.000で単位根を棄却する一方、KPSS定常性検定 (Kwiatkowski et al. 1992)は水準定常の帰無仮説を統計量2.51746、p < 0.01で棄却する。三つの手続きがそろって自らの帰無仮説を棄却するこの型は、一つの手続きだけが単独で反対に回る型ではなく、同じ帰無仮説を立てる二つが互いに一致し、反対の帰無仮説を立てる手続きだけが分かれた型であるため、明確な和分次数は付与しない。GLSトレンド除去による検定力の上位化 (Elliott, Rothenberg, and Stock 1996)は本系列については計算しておらず、その手続きは拡張回帰の側を確認するにとどまるため、既に棄却している側を重ねて確認するだけでこの不一致は解けない。
水準に対する1階の自己相関は0.994906であり、含意される半減期は135.714観測値である。これは記述的な持続性の要約であって和分次数の主張ではなく、Andrews (1993)の小標本の下方バイアスを踏まえて読む。Box and Pierce (1970)の原型を精緻化したLjung and Box (1978)のポートマントーは、候補となる定常な対象である水準に対してラグ10でQ = 110216、ラグ20でQ = 209721、いずれもp = 0.000で白色雑音の帰無仮説を棄却する。Bai and Perron (1998)の多重構造変化の手続きはBai and Perron (2003)の動的計画アルゴリズムにより水準に対して行うが、単位根の検定群が明確な定常の判読を確証していないため、その探索が返した日付は本プラットフォームの変化点の追跡規則のもとで引用できる数値ではなく、ここには記さない (Perron 1989)。
判定に伴う限界が三つある。検定の対象は取引された価格ではなく構成したスプレッドであり、二つの脚はいずれも当てはめ曲線からの解析的な評価であって、近いレグはその曲線が公表する最短の満期より下に位置するため、近いレグの測定誤差はそのまま対象に入る。スプレッドがゼロのどちら側にあるかは本欄では述べず、区間の長さや順位も読まない。近いレグを別の方法で測るとゼロに最も近い領域で判読が分かれるからであり、その大きさは方法論に記す。景気についての主張も行わず、曲線の近い区間を扱った文献が報告した判別の結果はそれらの研究の性質であって本系列の性質ではない (Engstrom and Sharpe 2018; Estrella and Mishkin 1998)。
本系列は日次であり低整数の季節周期を持たないため、Hylleberg et al. (1990)の季節単位根の枠組みとCanova and Hansen (1995)の季節定常性検定は適用されず、意図的に実施しなかった (Beaulieu and Miron 1992; Ghysels and Osborn 2001)。
主要数値
| 最新値 (%p) | 0.74 (2026-10-16) |
|---|---|
| 前回比 | −0.07 (2026-10-15) |
| 1年前比 | +1.35 (2025-10-16) |
| 収録期間中の最高 | 4.28 (1982-08-23) |
| 収録期間中の最低 | -7.47 (1980-12-11) |
| 収録期間 | 1980-01-02 – 2026-10-16 |
| 観測値数 | 11679 |
| 日付 | 値 (%p) | 変化 |
|---|---|---|
| 2026-10-16 | 0.74 | −0.07 |
| 2026-10-15 | 0.81 | −0.05 |
| 2026-10-14 | 0.85 | −0.04 |
| 2026-10-13 | 0.89 | −0.07 |
| 2026-10-09 | 0.96 | +0.07 |
| 2026-10-08 | 0.89 | −0.06 |
| 2026-10-07 | 0.95 | −0.03 |
| 2026-10-06 | 0.98 | −0.05 |
| 2026-10-05 | 1.03 | −0.03 |
| 2026-10-02 | 1.06 | +0.10 |
| 2026-10-01 | 0.96 | −0.06 |
| 2026-09-30 | 1.02 | +0.04 |
よくある質問
- 米国の近期先渡スプレッドはどう構成されますか。
- 六四半期先のフォワードレートから三か月のゼロクーポン金利を差し引き、両脚とも同じ日に一つの当てはめゼロクーポン国債カーブ上で評価します。公表されたカーブのパラメータに、原著者の構成方法をそのまま適用しています。
- 近期先渡スプレッドと長短金利差は何が違いますか。
- カーブの手前の区間だけで構成するため、十年に及ぶ満期を横断せず、政策予想が形成される時間軸を映します。両脚が一つの当てはめカーブから出るため、満期の不整合も入り込みません。
- 近期先渡スプレッドの符号に解釈はありますか。
- 与えていません。構成された距離を発行するだけで、特定の符号が何を含意するかについては何も主張せず、解釈はこの構成が依拠する文献に委ねます。